再野生化は必要?オランダの事例とデメリットについて

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森でたたずむキツネ 雑記

“再野生化”って聞いたことありますか?

再野生化とは、人が手を加えずに自然にまかせて生態系を回復させることです。

人間による環境破壊は年々進んでいく一方ですが、自然を守るために努力している人もたくさんいます。今回はそんな取り組みの一つをご紹介します。

 

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再野生化の取り組み事例

湿地

私たちが普段イメージする、自然を守るための取り組みといえば、人工的に木を植える植樹や、特別保護区などのように人間が動物を守るといったものではないでしょうか。これらはあくまで人間が主体となった取り組みですね。

しかし、今回紹介する“再野生化”は、なるべく人の手を加えず、自然を本来の姿に戻していくというものです。もちろん、人間が全く何もしないというわけではなく、川の流れを人工的に変えていたダムを撤去する、動物を放牧して生態系のバランスを整えるなど、自ら再生可能な状態に戻してから自然の営みを見守ることになります。

例えば、台風などで倒れた木はそのままにしておきます。倒れた木は腐ってしまいますが、やがてそれは土の栄養分となり、そこからまた草木が生え、それが動物のえさとなっていきます。

映画にも取り上げられた、オランダにある「オーストファールテルスプラッセン」の例をご紹介しましょう。

オーストファールテルスプラッセンはオランダの首都アムステルダムから50キロにある小さな自然保護区です。1968年から始まった干拓事業は1972年に頓挫し、干拓地はそのまま放置されてしまいます。

人の手が入らなかった干拓地は湿地となり、いつの間にか水草が生い茂るようになりました。そして、その水草を目当てに水鳥たちが湿地に集まるようになります。

やがてその数は数万羽となり、それを知った自然保護活動家たちが実験的に馬の放牧などを行いました。現在ではその馬も2000頭を超える数が確認されています。これは再野生化により見事に生態系の回復が実現したケースと言えるでしょう。

 

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再野生化のデメリット

オランダだけでなく、現在ヨーロッパ全域で上記のような自然復元プロジェクトが進行中です。それでは、他の地域はどうでしょうか。

アメリカのイエローストーン国立公園では、1926年にオオカミを根絶しました。すると、大型の草食動物であるエルクジカの数が増えすぎて植物が食い荒らされました。

植物が減ると、小型の草食動物や鳥、昆虫などの生息数も減ってしまい、生態系に及ぼす影響が大きかったため、1995年に再びオオカミが導入されました。

その結果、エルクジカの数が減るにつれて植物も回復し、その他の種類の生物の数も増え、バランスが保たれるようになりました。

ただ、再野生化が全ての人に受け入れられるわけではありません。生態系のバランスを整えるためにオオカミやキツネなどの捕食動物を導入することで家畜への被害が出る危険があります。

また、家畜として飼われていたブタ・ウシ・ヤギなどが、飼い主の管理不行き届きなどの理由で逃げ出し、再野生化して近隣の農作物を食べてしまうといった影響も心配されています。

しかし、現在100万種以上の野生の動植物が絶滅の危機にあり、その多くは数十年のうちに絶滅するという国連のデータもあります。自然を守ることは、人間に課された緊急最重要課題と言えるでしょう。私たち一人ひとりが、未来の地球のためにできることを見つけたいですね。

 

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まとめ

現在ヨーロッパを中心に広まっている“再野生化”は、できるだけ人の手を加えずに自然を本来の姿に戻そうとする取り組みのことです。川の流れを変えていたダムを撤去する、生態系のバランスを維持するために捕食動物を再導入するなど、自然が自らの営みで再生できる環境を整え、あとは見守るだけです。

成功例もあるものの、捕食動物による家畜への被害など、自然と人間の共存は難しい面も色々あります。しかし、自然の恵みがあってこそ人間も生きていけるのです。未来のために、できることを今から始めてみませんか。

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