手元供養は縁起がよくない?ライフスタイルの変化で多様化する「弔い方」

ミニ仏壇くらし

家族や親しい人との悲しい別れ。生きていればいつかは訪れるものですが、関係が深い相手ならば喪失感は大きいでしょう。しかし、悲しんでばかりもいられず、両親や親族が亡くなれば、遺骨をどうするか残されたものは決めなくてはいけません。

近年「跡継ぎがいない」「お墓が遠方にあり、維持・管理の負担が大きい」などの様々な事情でお墓の承継が難しくなり、「墓じまい」することが増えています。

少子高齢化、ライフスタイルの変化などによりお墓以外のさまざまな弔い方を選択する人も増えてきました。お墓ではなく手元で供養する、という選択肢もあるのです。大切な人をいつも近くに感じていられる手元供養についてご紹介していきます。

 

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手元供養は縁起がよくない?

遺骨をずっと自宅に置いたままにすると成仏できないので縁起が悪いという考えがあります。しかし仏教では、故人の霊魂は亡くなってから四十九日で成仏する(この世を彷徨う期間が終了する)と考えられています。

よって四十九日を過ぎた後では、霊魂は遺骨を離れすでにあの世に旅立ったあとなので、遺骨を埋葬するのか、もしくは手元供養するのかは遺族の考え方や気持ちの持ち方次第であり成仏できないこととは関連がないといえます。

また手元供養を行う際、遺骨を分骨することになるため、「魂が分割されて成仏できないのではないか」などと気にするかたもいらっしゃるでしょう。しかし分骨事態は、古くからおこなわれてきた習慣であり縁起が悪いということはありません。西日本では遺骨の一部を骨壷に納めるのが一般的です。また本山に喉仏を分骨して納める地域もあります。

手元供養とは
手元供養とは遺骨や遺灰、形見などを身近に置いて冥福を祈る供養方法です。「故人のことを常に身近に感じていたい」「いつもそばで見守ってもらいたい」という願いを形にしたもので、大切な人を失った悲しみを癒す方法としてはとても効果的です。

 

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手元供養は違法?

墓地、埋葬等に関する日本の法律では、遺骨は墓地以外の場所に埋葬してはならないと決められていますので自宅に埋めたりすることはできません。しかし遺骨や遺灰を自宅に保管することや、手元供養(自宅供養)を禁ずる法律はなく違法ではありません。(2021年5月現在)

 

手元供養のメリット

先祖代々のお墓がある人は、遺骨を埋葬する場所に困ることはありません。しかしお墓を持っていない、お墓を建てるつもりがない、建てたいが経済的理由などで建てられないという場合もあります。

お墓を建てるには墓地永代使用料・墓石代・工事費・管理料など合わせて全国平均で約200万円ほどかかると言われています。これは大変な出費です。またお墓参りのために出かける必要がないので、いつでも供養することができます。そして、お墓の管理・維持費用の負担がありません。

 

手元供養のデメリット

お墓参りに行けなくなる、遺骨をダイヤモンドなどアクセサリーに加工することに不快を感じるなどの理由により親族から同意を得にくい場合もあるのでよく話し合ったうえで選択したほうがよいでしょう。

アクセサリーに加工して供養する場合は、小物品ゆえ外出や引っ越しの際、紛失や盗難にも注意が必要です。

骨壺にいれたままの状態で供養する場合はカビが発生する可能性もあります。直射日光の当たらない風通しのよい場所に置き、霧箱に入れるなどの湿気対策をおこないましょう。

 

手元供養の種類

骨壺

遺骨や遺灰は小さな骨壺で保管します。骨壺もさまざまな素材・デザインのものが売っており、価格も数百円から10万円以上のものもあります。保管場所や保管の仕方によっては、大切な遺骨にカビが生えてしまうこともあります。そんなことにならないために、風通しのよい場所に置き、骨壺も密閉できるものを選ぶようにします。

 

仏壇

小さな仏壇もあります。洋風の家にも自然になじむようなデザインのものも多く、箱タイプや、木のステージに骨壺やおりん、写真などを配置できるものもあります。

 

アクセサリー

アクセサリーの中に納める方法もあります。ネックレスや指輪、ブレスレットなどに遺骨や遺灰を入れることができます。デザインや素材にもよりますが数千円から数十万円するものもあります。

 

プレート

遺骨そのものを使い、ファインセラミックスに加工しプレートにすることができます。衛生的で丈夫に加工されたプレートには名前や写真などを自由にレイアウトし刻印することもできます。言われなければ遺骨で作ったとはわからないような仕上がりになります。家族が集まるリビングなどに置いても違和感がないでしょう。価格は10~20万円台です。

 

ダイヤモンド

遺骨からダイヤモンドを作ることもできます。これは世界で最も美しい遺骨供養として今話題になっています。遺骨中に含まれる炭素を取り出し、人工的に高温高圧にかけることで合成ダイヤモンドを製造します。人工的に作られたものですが、硬度や輝きは天然ダイヤモンドと同じです。ただ、400g以上の遺骨が必要になり、これは成人男性の遺骨3分の1から4分の1に相当します。火葬場から持ち帰る遺骨の量は地方によって差があるので量が少ない場合は、想い出の品(天然素材の可燃物。手紙、本、服など)で不足分を補い制作することも可能です。作られたダイヤモンドで指輪やピアスなどに加工することも出来ます。価格は46万円~300万円。

 

手元供養をやめるときは

海や山などに散骨する方法があります。この場合条例や周りへの配慮が大変な陸地より海上に散骨するほうが一般的です。散骨は自分で行うことができますが、散骨業者に委託することもできます。

また寺院や霊園では永代供養といって遺族に代わって遺骨を供養・管理してくれる制度があります。墓地用の土地と墓石が必要なく費用は15万円程度が相場です。

 

まとめ

生と死は表裏一体といいますが、普段生活をしているうえでは死はどこか遠いものです。とはいえ、どんな人にも必ず訪れるものです。だからこそ、ライフスタイルや家族の状況に応じて選択肢は多様化してくるものなのでしょう。

従来のお墓や弔い方にこだわることなく、大切な想い出とともに後々まで思い出してもらえることが幸せなのかもしれません。時には、どう生きるのかということと同じように、どんな死を迎えたいかについて家族と話をすることも大切なことなのかなと思います。