以外と勘違いしている方も多いようですが、マンションのベランダ部分は住人の「占有スペース」ではなく「共有スペース」です。マンションのベランダでガーデニングが認められている場合でも、隣近所への配慮は必須となります。
快適なガーデニングライフを楽しむため、また住民トラブルを避けるためにも事前に苦情対策はしっかり行いましょう。
この記事では、マンションのベランダガーデニングの苦情の種類や注意点、また苦情になりにくいおすすめなどを解説していきます。
マンションのベランダガーデニングの苦情の種類
マンションのガーデニングを始めたいけど近隣とのトラブルは避けたいですね。実際にどんな苦情が多いのかネットで調べてみました。
- 枯れた葉が近隣宅のベランダに落ちる。
- 植物を置くことで虫(カナブン、コバエなど)やハチなどがよく飛んでくるようになった。
- 隣人の水やりの水がベランダに流れてくる。
- 排水溝が土や落ち葉で詰まる。
マンションのベランダガーデニングに多い苦情は主にこの4つでした。
マンションのベランダガーデニングの注意点
マンションでもベランダでガーデニングをしたい方は多いです。窓から外を眺めた時に花があるのと、ないのとでは気分が違いますよね。
ですがマンションならではのガーデニング注意点があります。そこに気を付けてベランダで育てやすい植物を選べば、マンションのベランダでもガーデニングを楽しむことができます。
マンションの管理規約を確認する
マンションのベランダは完全なる専有部分ではありません。「専用使用権のある共用部分」のため、万が一火事や地震などの緊急時はベランダがマンションの住人の避難経路になります。
そのため、鉢やプランターなどは、人がスムーズに通れるような配置にしておかないといけません。
総重量を考える
ベランダは、1㎡辺り約180kgと耐荷重が定められています。全体の平均荷重は60㎏/㎡を越えないようにとも定められています。
鉢やプランターを数個置いて楽しむことに全く問題はないです。ですが、植木鉢に土を入れるだけでも重量はかなりのものです。
ですので、植木鉢の重量をできる限り軽いものにしたいです。素材はプラスチック素材が軽くて丈夫でお勧めです。デザインも豊富でオシャレなものもたくさん販売されています。
水やりの時の水の量に気を付ける
ベランダでの多量の散水を禁止しているマンションは多いです。排水溝から水があふれるなら、量が多いので水やり時は排水溝もチェックしながら行いましょう。隣の部屋や階下に水漏れをしてしまうとトラブルのもとになってしまいます。
排水溝の掃除をマメにする
どうしても、排水溝に枯れ葉や落ち葉、土などが流れていきます。これらを放置していると排水溝が詰まる原因になります。
その状態で大雨が降ると雨水が流れず、水漏れが汚水の逆流になる可能性もあります。定期的な掃除はガーデニングをする上で必須です。
また、土の上にマルチを敷いておくことで土が飛びにくくなります。化粧石やウッドチップなどです。土の乾燥も防げるのでお勧めです。
虫対策
植物があるとどうしても虫も寄ってきます。ですが、虫が苦手な人もいますので、対策は必要です。
カメムシやアブラムシが大量に発生するとイヤですよね。予防用の薬剤を撒いたり、マメに植物を観察したりして見つけたら即駆除するなどの対応をしましょう。
ハーブなど虫が寄り付きにくい植物を置くのも虫対策になります。もしも薬剤を散布する時は薬剤が風で吹き飛び近隣に飛んでしまわないように、鉢植えをビニール袋に入れてから行うなど工夫が必要です。
臭いのきついものは避ける
花の香も、好きな人もいれば苦手な人もいます。また、肥料の臭いがきついなども、風下のベランダで洗濯物を干している方は気分の良いものではありません。
有機肥料ではなく化成肥料を使うなどして臭い対策をしましょう。
ツルや葉の対策をする
ツル性の植物は壁面をつたって伸びていきます。ツルの先を誘導するか、剪定して自身のベランダの範囲に収めるようにしましょう。
ベランダの内側だけにする
ベランダの外側に鉢を飾るのは危険です。万が一落ちたら大事故になってしまいます。また、土や水がこぼれて下の階や歩行者にかかるトラブルにもなりますので、ベランダの内側の安全な場所に置き、自分だけでガーデニングを楽しみましょう。
マンションのベランダガーデニングのおすすめ
マンションのガーデニングは管理規約やマナーを考えるとなんでも良いというわけにはいきません。そのため、風通しや日当たりなどの環境を選ばない植物がおすすめです。
乾燥気味でも元気に育つものが良いですね。マンションのベランダの床は湿度が高い場合が多く、アブラムシやハダニが好みます。虫よけ効果のある植物も一緒に育てるなどの対策をしてみてはどうでしょう?マンションのガーデニングに向く植物を紹介しますね。
ハーブ
ハーブ類は虫を寄せ付けないのでお勧めです。育てた葉は料理にも使えますし、野菜よりも省スペースで育てることができます。
ローズマリーやミントが人気です。繁殖力が強く、手間をかけなくても育ってくれます。少しの日光と水で育つので育てやすいです。
つる性植物
ツル性の植物は虫もつかず、お手入れもほとんどいらないです。アイビーは日陰で育ちますし、肥料もいりません。
1年中葉っぱを楽しめます。ワイヤープランツも、少ない土で育ちますし、強いです。
一年草
一年草は開花から枯れるまでのサイクルが1年以内のもののことです。花の色はいろいろあって、季節の彩りがあります。
パンジーは寒さに強くて、冬から初夏まで花が咲きます。病害虫にも強いので初心者にもおすすめです。
マリーゴールドは発芽率が高くて種まきから楽しむことができますし、根に害虫を撃退する効果もあるので寄せ植えがおすすめです。
私はパンジーを毎年育てています。
ですが、ここ数年必ずツマグロヒョウモンの幼虫が来て葉っぱを食い尽くされてしまいます。幼虫の時は黒くて点々があってとっても気持ち悪いのですが、来てしまったからには蝶々になって欲しいので見守ってしまいます(笑)
宿根草
宿根草は、植えっぱなしでも毎年花が咲くので毎年の植え替えが不要です。
ペチュニアは花の咲き方や色のバリエーションが豊富で開花時期も長く、夏に人気です。初心者におすすめです。アシュガは日陰にも寒さにも強いです。
マンションのベランダガーデニング台風対策
ベランダは風が通り抜ける為台風が直撃すると、ベランダの植物はかなりの風圧を受けます。鉢ごと飛ばされることも珍しくないです。
歩行者に当たったり、近所の窓を割ってしまったりすると危険です。台風の日は、あらかじめ室内に取り込んでおくことをお願いします。
私は、今は一軒家ですが、以前マンション住まいだった時に巨大台風が直撃したことがあります。ベランダのものは室外機以外全て取り込んでいましたが、エアコンの室外機が隣のベランダまで飛んでいました。
あと20㎝程で隣家の窓を割るところでした。室外機でもそうなるので鉢植えは室内に取り込むことが安全です。大きすぎて取り込めないものは、台風が過ぎるまで横に寝かすことで枝などが折れることも予防できます。
まとめ
- マンションでガーデニングを始める場合は、まず管理会社に規約を確認しましょう。
- 枯葉や虫の飛来、水漏れ、排水溝つまりなどに必要な対策をとりましょう。
- 使用する肥料の臭いや花の香りがきついものは避けましょう。
- 台風時期はすぐに室内に取り込めるようにしておきましょう。