奈良県のほぼ中心に位置する橿原(かしはら)市。
遠く日向から初代神武天皇が来られた神武東征の到着地でもあります。
そんな橿原市には、歴史を感じられるスポットが多く、また自然を活かしたイベントも数多く開かれています。
今回は橿原生まれの私が、その中のいくつかを厳選して紹介します。
近年では写真映えを意識したものなどに人気が集まっています。
本薬師寺跡 ~橿原の夏を彩るホテイアオイ
奈良市にある世界遺産薬師寺が元々建っていたといわれる本薬師寺跡では、毎年夏前になると地元の小学生がホテイアオイを植え付けてくれます。
8月を迎えるころには薄紫色の小さなお花が休耕田を埋め尽くし、その光景は一度見たら忘れられないもので、SNSなどでも数多く紹介されているほか、海外からの結婚式の前撮りのツアーが組まれるほどの人気っぷりです。
単なるお花畑ではなく、天武天皇が皇后後の持統天皇の病気平癒を願って薬師寺を建てた神聖な地に咲く姿は神々しささえ覚えます。
毎年7月頃から9月下旬までで、9月下旬には曼珠沙華とのコラボレーションも観られます。
8月から9月までは駐車場有(無料)
おふさ観音の風鈴まつり
橿原市の中心部、八木の界隈にある比較的こぢんまりとした寺院、おふさ観音。
春と秋のバラが美しいお寺として有名ですが、夏の風鈴まつりも人気急上昇中です。
毎年7月から8月までで、初期の頃に行くとまだ春バラが残っていることもあり、春から夏への季節の移ろいを目と耳で感じられます。
街中の狭い路地沿いにある寺院ですが、大型バスも多数来訪することから、付近には大規模な駐車場も完備されています。
電車でもJR畝傍駅、近鉄八木西口駅などから徒歩圏内です。
風鈴まつりの期間中のもうひとつのお楽しみとしては、境内奥にある茶房で夏季限定販売されるかき氷です。
奈良といえばかき氷。
ふわふわの氷は、どの味を選んでも外れはありませんよ。
写真映えもばっちりです。
毎年7月17日には夜あかりに照らされるイベントが実施されて幻想的な雰囲気が漂います。
花々が乱れ咲く藤原宮跡
橿原市を代表する歴史スポットである藤原宮跡(ふじわらきゅうせき)。
694年から710年まで日本の首都を担い、現在の国会議事堂、皇居、官庁などが並ぶ日本の中枢だった場所で、国の特別史跡に指定されています。
現在ではだだっ広い原っぱやあぜ道といった原風景が広がっていますが、名勝大和三山(畝傍山・耳成山・天香久山)が一度に見渡せる光景は、かつて日本の中心であったことを実感させてくれます。
世界遺産候補となっているため、むやみに手を加えることが出来ない現状を逆に生かし、春・夏・秋と季節のお花が植えられています。
どの季節もおすすめなので順に記すと、春に桜の咲く頃、北側のエリアで桜と菜の花のコラボレーションが見られます。
薄いピンク色と濃い黄色のグラデーションは見事のひとことで、日本中だけでなく海外からも大勢の見物客が訪れます。
夏になると東のエリアでハスの花が咲きます。
まさに咲き誇るというのがぴったりの表現で、緑の葉の中からブツブツと頭を出しているハスの花は圧巻です。
なお、ハスの花は午後には閉じてしまうので、午前中の鑑賞がおすすめです。
屋根など、太陽を防げるものが何もないので、くれぐれも熱中症予防をお忘れなく。
そして秋になると中央エリア一帯で、コスモスのじゅうたんが広がります。
友達と一緒の記念撮影も良し、ひとりでストイックにコスモスと向き合うのも良し、お弁当を持ってピクニック気分に浸るのもまた良し。
また藤原宮跡は、夕焼けや朝日が美しく観られるスポットなので、特にカメラや写真に興味がある方なら、間違いなく大興奮できる場所です。
お花が咲くシーズンには、通常の駐車場とは別に大収容の特別駐車場があるので、車でも安心です。
※紹介した全てのイベントは無料で鑑賞できます。