同名の米国のコミックをアマゾンが実写ドラマ化したものです。現代アメリカの様々な問題とヒーロー物をかけ合わせたドラマですが、もしもアメコミのスーパーヒーロー達が現実に現代の社会に居たらどうなるかの思考実験としても面白い内容です。
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この記事では、ドラマ・ザ・ボーイズのあらすじネタバレと感想についてお伝えします。
ドラマ・ザ・ボーイズのあらすじ
実家の電気店で働くヒューイ(ジャック・クエイド)は、恋人と道端で手をつないで話しているときに突然彼女が手だけを残してバラバラになります。ヒーローのAトレイン(ジェシー・T・アッシャー)が高速でぶつかって起きたことですが、彼らを雇っている企業のヴォート社から4万5000ドルの賠償金を提示されるのみで、まともな謝罪もありません。そんなときにFBIのブッチャー(カール・アーバン)という男から接触があります。
これまでも同様に事故などで巻き添えになった人は多く居て、多くの人がヒーローやヴォート社に反感や恨みを抱えているのでした。
彼らを雇って活動させているヴォート社は、200人ほどのヒーローを抱えて運営しており、中でもセブンという7人のヒーローは大スターで、別格扱いなのでした。
ヴォート社は彼らを各地に派遣したり、映画化してグッズを販売するなどで巨大な収益を上げている巨大企業なのでした。
一方、田舎で暮らしていた怪力の持ち主のアニー(エリン・モリアーティ)はヴォート社のヒーロー選考に応募し選ばれ、セブンの一員の「スターライト」となれますが、セブンの実態を知り、幻滅するのでした。
そんなときに偶然、公園でヒューイといろいろと話すことで、知り合いに成ります。
ヒューイはブッチャーとヴォート社の内部のことを知るため、賠償金のことを話し合う際に盗聴器を仕掛けようとしますが、透明になれるヒーローのトランスルーセント(アレックス・ハッセル)に後をつけられ、実家の店で乱闘になったので、電流を流して気絶させます。そして武器密売などをしている仲間のフレンチー(トマー・カポン)に協力してもらい、拘束して監禁しますが、彼の皮膚は刃物も銃弾も通さないので、抹殺することも困難なのでした。しかし彼からAトレインの恋人のポップクロウのことを聞き、彼女のことを調べると、Aトレインは何かの薬物に関係していることが解ってくるのでした。
ドラマ・ザ・ボーイズの感想
アメコミに居そうな7人のヒーローとそれを管理運営するヴォート社と、それに恨みや反感を持ち行動する4人を中心に物語は展開しますが、大企業が現代アメリカの価値観に合う様にヒーローたちを行動させるとどの様になるのかを、ブラックに上手く描いています。
セブンの7人も、大スターの座を手放したくないので理不尽なことでもヴォート社の上司の決定に従ったり、自ら色々とごまかしをしていますが、彼らは色々と超人としての能力を持っているので、周囲には知られずに行えて、それが世間に知られそうになるとヴォート社が、ヒーロー達やヴォート社のイメージを守り収益を上げ続けるために、隠蔽工作をしているというところは実際に現代の大企業にありそうなところです。
ビジネスを行うことがいかにその国の政治や宗教などとも関わることなのかを、とてもわかり易く描いているので、最近の米国の大統領選に関心があった人なら何かと楽しめそうな内容になっています。
これまで人気のあったタイプのヒーローを下種に描いていたり、マイノリティーのキャラの悲哀を描いていたりと、何かと演出が光っています。
さらに最近日本でも取り上げられるようになった人身売買などのことも入れてあり、何かと考えさせる展開のドラマです。
何かとグロい描写が多いので、子供と見るのは考えものの内容になっていました。
アメコミのヒーローを描いた映画が最近は大量に作られていますが、このようなドラマも作ってしまうというのは、アメリカという国の懐の深さを感じさせます。
やはり人種や民族が多様で、若年層の割合も多い国だからなのでしょう。
ちなみに主人公のヒューイを演じるジャック・クエイドさんは、メグ・ライアンさんとデニス・クエイドさんとの間の子供とのことです。
メグ・ライアンさんの映画を見ていた世代には、感慨深いものがあります。
ドラマ・ザ・ボーイズのキャスト
ヒューイ・キャンベル・・・ジャック・クエイド
ウィリアム・“ビリー”・ブッチャー・・・カール・アーバン、
フレンチー / セルジ・・・トマー・カポン
マザーズミルク / マーヴィン・T・ミルク・・・ラズ・アロンソ
キミコ・ミヤシロ・・・福原かれん