「ママ、リザードンって英語でなんて言うの?」
子供に突然そう聞かれて、答えに詰まってしまった経験はありませんか?
スマホで検索して「Charizard(リザードン)だよ」と教えるのは簡単ですが、それだけで終わらせてしまうのは、実はとてももったいないことなんです。
なぜなら、ポケモンの英語名は、単なる日本語の翻訳ではなく、ネイティブも思わず笑ってしまうような「言葉遊び(ダジャレ)」や「ネットスラング」の宝庫だからです。
この記事では、初代ポケモン世代のママも、最新作『スカーレット・バイオレット』に夢中なお子さんも一緒に楽しめる、「ポケモンの英語名の面白い由来」と「親子で使える決め台詞」を厳選してご紹介します。
読み終わる頃には、英語という教科書的な「勉強」が、親子で笑い合える最高の「遊び」に変わっているはずです。さあ、一緒にポケモンの言葉の謎解きに出かけましょう!
なぜ「フシギダネ」は “Bulbasaur” なの?(英語名のヒミツ)
「フシギダネ」という名前、日本語だと「不思議」+「種」で、その特徴をよく表していますよね。では、英語名の「Bulbasaur(バルバソー)」は、一体どうやって作られたのでしょうか?
実は、多くのポケモンの英語名は、「かばん語(Portmanteau)」と呼ばれる、2つの英単語をくっつけて1つの言葉にする手法で作られています。
フシギダネの英語名であるBulbasaurを分解してみると、その仕組みがよく分かります。
- Bulb(バルブ):球根
- Dinosaur(ダイナソー):恐竜
つまり、「球根を背負った恐竜」だからBulbasaurなのです。
このように、ポケモンの英語名(Pokemon English Names)は、そのポケモンの見た目や特徴を表す語源(Etymology)を組み合わせることで構成されています。
この「言葉の足し算」のルールさえ分かれば、英語が苦手なママでも、子供と一緒に「この名前にはどんな単語が隠れているのかな?」と謎解きを楽しむことができます。難しい辞書を引く必要はありません。必要なのは、ちょっとした好奇心だけです。
ママすごい!と言わせる「語源の鉄板ネタ」厳選3選
ここからは、私が実際に息子に話して「ママすごい!物知り!」と尊敬の眼差しを向けられた(笑)、とっておきの語源ネタを3つのカテゴリでご紹介します。
初代世代の私たちが懐かしいポケモンから、子供たちが大好きな最新作のポケモンまで、親子の会話が弾むネタを厳選しました。
1. 伝説の鳥ポケモンに隠された「数字の秘密」(初代)
私たち親世代にはお馴染みの伝説の鳥ポケモン、フリーザー、サンダー、ファイヤー。
これら3匹の伝説の鳥ポケモンの英語名には、実はスペイン語の数字が隠されていることをご存知ですか?
- フリーザー:Articuno (Arctic:北極 + Uno:1)
- サンダー:Zapdos (Zap:電気の音 + Dos:2)
- ファイヤー:Moltres (Molten:溶けた + Tres:3)
「Uno, Dos, Tres(ウノ、ドス、トレス)」は、スペイン語の「1, 2, 3」です。
英語名の中に別の言語の数字を隠すという高度な言葉遊び(Pun)が、初期のポケモンから採用されていたのです。
2. 逆から読むと正体がわかる?(初代)
次は、ちょっとした暗号のようなネタです。
ロケット団のムサシとコジロウが使っていたポケモン、アーボとアーボック。
アーボとアーボックの英語名を、それぞれ逆から読んでみてください。
- アーボ:Ekans → 逆から読むと Snake(ヘビ)
- アーボック:Arbok → 逆から読むと Kobra(コブラ)※kはcに変換
「Ekansって逆から読むと何になると思う?」と子供に紙に書いて渡してみてください。謎が解けた瞬間の子供のドヤ顔は必見ですよ!
3. 最新作は「ネットスラング」だらけ!(SV)
そして、ここが一番のポイントです。
最新作『スカーレット・バイオレット』のポケモンの名前には、現代のインターネットスラング(Internet Slang)が公式名称として大胆に取り入れられています。 教科書には載っていない「生きた英語」を学ぶチャンスです。
最新作ポケモンのスラング語源リスト
| カード | 英語名 / 日本語名 | 英語名の由来 | 意味 |
|---|---|---|---|
| パピモッチ | Fidough(フィドゥ) | Fido(犬の“ポチ”)+ Dough(パン生地) | パン生地でできたワンちゃん |
| グルトン | Lechonk(レチョンク) | Lechon(子豚の丸焼き)+ Chonk(ぽっちゃり) | まるまる太った子豚ちゃん |
| ミニーブ | Smoliv(スモリブ) | Smol(ちっちゃくて可愛い)+ Olive(オリーブ) | 小さくて可愛いオリーブ |
特にグルトンの英語名であるLechonkに使われている「Chonk」という言葉は、海外のSNSで太った動物を愛でる際によく使われるスラングです。
開発チームの遊び心が爆発していますよね。こういった背景を知ると、新しいポケモンたちへの愛着も一層湧いてきませんか?
明日から使える!親子で叫びたい「決め台詞」
語源で「へぇ〜!」となった後は、実際に英語を口に出してみましょう。
長い文章を覚える必要はありません。アニメでお馴染みの短い決め台詞(Catchphrases)は、親子で英語モードに切り替えるための最高のスイッチになります。
ここでは、日常のシーンで自然に使えるフレーズを、親子英語(Parent-Child English)の実践例としてご紹介します。
“I choose you!”(君に決めた!)
サトシがモンスターボールを投げる時の名台詞です。
これは、生活の中の「選択」の場面で万能に使えます。
- 朝、着ていく服を選ぶ時: “Which shirt do you want? This one? Okay, I choose you!“
- おやつの時間: “Cookie or Chocolate? I choose you!“
“Gotta catch ‘em all!”(ポケモンGETだぜ!)
英語版ポケモンのキャッチコピーで、「全部捕まえなきゃ!」という意味です。
これは「集める」動作が必要なシーン、つまりお片付けに最適です。
- おもちゃが散らかっている時: “Look at these toys! Gotta catch ‘em all! Let’s clean up!”
ロケット団の口上(Team Rocket Motto)
ちょっと上級編ですが、親子でパート分けして演じると盛り上がるのがロケット団の口上です。リズムが良いので、英語特有の抑揚を身につけるのにぴったりです。
- ママ (ムサシ役): “Prepare for trouble!”(なんだかんだと聞かれたら!)
- 子供 (コジロウ役): “And make it double!”(答えてあげるが世の情け!)
お風呂の中や、車での移動中に、ぜひ親子でなりきって遊んでみてください。
よくある質問(FAQ)
最後に、ポケモンで英語を楽しむ際によくいただく質問にお答えします。
Q. 私の発音がカタカナ英語なんですが、子供に変な癖がつかないか心配です。
A. 全く心配いりません!むしろ、ママが楽しんで話す姿を見せることが一番です。
完璧な発音を聞かせたい時は、Google翻訳やSiriに「Pikachu」と言わせてみたり、YouTubeで海外のポケモン公式動画を一緒に見たりすればOKです。大切なのは「英語って楽しい」というポジティブな感情を共有することです。
Q. ゲームの言語設定をいきなり「英語」にするのはハードルが高いですか?
A. 初めてプレイするソフトで英語設定にするのは、正直おすすめしません。
ストーリーや次にどこへ行けばいいかが分からなくなり、子供がゲーム自体を嫌いになってしまう可能性があるからです。
おすすめは、「一度クリアしたソフト」を、新しいセーブデータで英語設定にして遊ぶことです。ストーリーを知っていれば、英語が分からなくても推測で進められますし、「あ、日本語のあのセリフは英語だとこう言うんだ!」という発見にも繋がります。
まとめ:英語は机の上だけで学ぶものじゃない
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
ポケモンの英語名には、開発者たちの「世界中の子供たちに楽しんでほしい」という願いと、知的な遊び心がたっぷり詰まっています。
- フシギダネ (Bulbasaur) のような「かばん語」の面白さ。
- グルトン (Lechonk) に隠された現代的な「ネットスラング」。
- そして、“I choose you!” と叫ぶ時のワクワク感。
これらはすべて、机に向かって単語帳をめくるだけでは出会えない、生きた英語の体験です。
もし、お子さんが次に「これ英語でなんて言うの?」と聞いてきたら、それはチャンスです。
「実はね、パピモッチはパン生地の犬なんだよ」と、今日知ったネタを1つ披露してみてください。その時の子供の驚いた顔こそが、親子で英語を楽しむ最高のスタートラインになるはずです。
他にも「このポケモンの名前の由来が知りたい!」というリクエストがあれば、ぜひコメントで教えてくださいね。一緒にポケモンの世界を深掘りしましょう!
[参考文献リスト]
この記事の執筆にあたり、以下の信頼できる情報源を参照しました。より詳しい情報を知りたい方は、ぜひチェックしてみてください。
- Pokémon name origins (etymology) – Pokemon Database
- 各ポケモンの英語名の由来が詳細にまとめられています。
- Bulbapedia, the community-driven Pokémon encyclopedia – Bulbapedia
- 世界最大級のポケモンWiki。各ポケモンのページに”Name origin”の項目があります。
- Serebii.net – Where Legends Come To Life – Serebii.net
- 長年の歴史を持つ信頼性の高いポケモン情報サイトです。
