日本の夏の風物詩である「蚊取り線香」。
普段蚊よけとして使ってる方も多いと思いますが、蚊以外の虫には効果はあるのだろうかと疑問に思ったことはありませんか?
実は蚊取り線香は蚊以外の虫にも効いているのです!
虫だけじゃなく身近にいるあんな生き物にも。
この記事では、
- 蚊取り線香が効く虫や生き物にはどんなものがいる?
- 蚊取り線香が効く範囲は?
- 蚊取り線香を屋外で効果的に使うには?
などについて調べてみました。
蚊取り線香が効く虫
蚊取り線香に含まれている殺虫成分「ピレスロイド」。「ピレスロイド」は微量でも害虫によく効き、速効性があります。
殺虫効果だけでなく、濃度が薄い場所では虫が嫌がって近づかないという忌避効果もあります。蚊取り線香は火の熱によって有効成分が空気中に煙とともに漂い、近くにいる蚊を殺虫したり、寄せ付けないようにする、という商品です。
「ピレスロイド」が虫の皮膚や口から入り、神経を麻痺させて虫を退治します。昆虫類、両生類、魚類、甲殻類等に効果があります。蚊取り線香は蚊だけではなく、ほぼすべての虫に効果がありますので、飼っているカブトムシや鈴虫などにも影響があります。また熱帯魚や金魚など水中の魚に対しても毒性が強いので、蚊取り線香使用中は虫かごや水槽にカバーをするなど注意が必要です。
蚊取り線香が効く範囲
蚊取り線香が効く範囲は、煙の広がっているところが効果のある範囲。と言われています。煙そのものに殺虫効果があるわけではありません。有効成分は火の付いている少し手前から揮散し煙にのって広がり、蚊を殺虫、忌避します。
部屋の中で使用する場合は閉め切らず、窓を開け風通しの良い状態にしておきましょう。風向きなども影響しますので、風上に置いて使用すると、有効成分がいきわたりやすくなります。
蚊取り線香を屋外で効果的に使うには
室内とは違い、空気の流れがあり、どこまでも拡散してしまう屋外では蚊取り線香は非効率であると言わざるをえません。しかし、少し工夫することで、キャンプなどの屋外でも効果を上げることができます。いくつかご紹介していきましょう。
屋外用蚊取り線香を使用する
一般的な蚊取り線香よりも倍ほど太く、煙の量も多いアウトドアにも使用できる蚊取り線香が販売されています。より広範囲に、パワフルな忌避効果があります。
複数使用する
蚊取り線香を等間隔に置き、蚊が侵入しずらいよう結界を張ります。たくさん設置することで、効果は高まりますが煙も増え、匂いも気になるかもしれませんので、ほどほどに。
風上に置く
蚊取り線香の有効成分は煙にのって広がります。そのため必ず風上に設置しましょう。風下に設置してしまったり、自分の方へまったく煙がこないようでは効果は期待できません。
携帯する
蚊取り線香を入れてベルトなどに引っかけて携帯するための専用ケースが販売されています。途中で火が消えてしまったり、灰がこぼれたり、ケースが高温になりやけどをする、ということがありません。リュックやベルトに引っかけて、身に付けておくことで常に有効成分の範囲内に入ることができる、というわけです。
蚊取り線香以外の蚊対策
蚊取り線香以外にもさまざまな蚊対策グッズがあります。上手に対策して刺されない夏を過ごしたいですね。
虫よけスプレー
虫よけスプレーにもさまざまな種類がありますので特徴を知って選ぶようにしましょう。虫よけスプレーは有効成分で大きく3つに分かれます。
- 「ディート」
- 「イカリジン」
- ハーブなどの天然成分
効果が高いのは「ディート」。しかし、赤ちゃんや子どもに対して使用制限があります。
「ディート」より忌避できる虫の数が劣りますが「イカリジン」は子どもにも安心して使用できます。
アロマなどの天然由来成分を使った虫よけはディートやイカリジン含有のものに比べると効果は弱めですが、天然由来なので肌に優しく、小さなお子様にも安心です。
電気蚊とり機
電気を使用して薬剤を放出する、液体タイプの電気蚊とりです。有効成分は蚊取り線香と同じピレスロイド系です。火を使わず、煙も出ませんので小さなお子様がいる家庭でも安全に使えます。
蚊がいなくなるスプレー
ひと吹きで薬剤が部屋全体に広がり、薬剤の効果が長時間続きます。電気も火も使わないので使い勝手が良く人気です。
掛け型虫よけ
玄関やベランダ、窓の外などにぶら下げておくタイプ。蚊の侵入を抑制します。効果が1年続くものもあります。
置き型虫よけ
消臭効果などを兼ねており、室内に置くだけで虫を寄せ付けなくします。
その他
デリケートなお肌に使いやすい「虫よけクリーム」。
手軽に塗れる「ウェットティッシュタイプ」の虫よけ。
薬剤を使いたくない人にはハーブの香りの「虫よけリング」や「虫よけシール」など。
「オニヤンマ君」というトンボの模型を身に付けて蚊を寄せ付けないという変わり種も。
効果的な蚊対策のための豆知識
蚊に刺されないために、まずは蚊が好む条件を知っておくことも大切です。蚊が反応する条件は次の4つと言われています。
二酸化炭素
蚊は二酸化炭素の濃度が高い方へ移動します。無風なら10メートル先にいる人間の吐息を検知できると言われています。体が大きい人やお酒を飲んでいる人は、吐き出す二酸化炭素の量が多いので蚊に刺されやすくなります。屋外でのビアガーデンやバーベキューなどの際にはしっかりと対策するようにしましょう。
汗や足のニオイ
蚊は人間の汗に含まれる乳酸などのニオイが大好きです。汗をかきやすい子供や、運動をしているときは蚊に刺されやすくなります。また足の裏から出るにおい成分に反応し行動が活発になりますので、体の中では足の甲やふくらはぎなどが刺されやすい場所といえます。汗をかいたら、こまめに拭いたり、シャワーを浴びるようにしましょう。また足は石鹸で丁寧に洗いましょう。
温度
蚊は触角を使い温度を感じながら標的を探していきます。体温の高い赤ちゃんや妊婦さんは狙われやすくなります。赤ちゃんにも使用できる肌にやさしい虫よけスプレーなどで対策しましょう。
黒い色
蚊の目は色をはっきり区別することができませんので、明るい色よりも黒い色が比較的見やすいようです。そのため、黒い服を着ている人や、日焼けしている人は刺されやすくなります。白い服を着たり、長袖長ズボンなどで肌の露出を減らしましょう。
まとめ
蚊取り線香は蚊以外にも、昆虫類、両生類、魚類、甲殻類等に効果があります。カブトムシや鈴虫などの昆虫、熱帯魚や金魚などの魚類を飼っている方は気を付けましょう。